指導医に聞く
高度な医療とコモンな症例
たすきがけ研修で学べます
他病院でも経験を
岩手県で研修するメリットは、臨床研修医が診ることができる症例が豊富だということです。また、臨床研修病院を行き来できる「たすきがけ」の制度で、病院ごとに異なる雰囲気やシステムのもとで勉強し、自分の研修先だけではできない経験を積むことで刺激を受け、新たな視点を養えます。
小規模病院からはたすきがけに出て、大きい病院は受け入れることが多いと思いますが、岩手医科大学附属病院は、ほぼ半々。専門的なことを学びにくる人が多い一方で、大学病院の研修カリキュラムは出られる期間が最大で1年と長く、コモンな症例や手技を経験するために学びたい分野を選んで他病院で研修する人も少なくありません。そうしたバランスがうまく取れるカリキュラムです。
学び続ける姿勢で
指導医なら誰しも研修医に対して、学ぼうという気持ち、積極性を持って取り組む姿勢を期待していると思います。岩手は医師数が少ないため研修医が担う部分が多く、自然と経験を積むことができます。また、病院によっては研修医の人数が少なく、たくさんの症例が割り当てられる環境にあります。しかし、降ってくるのを待っている人と、そうでない人では得るものが違います。自分から、という姿勢の人は伸びていきます。
臨床研修、専攻医とカリキュラムがあるうちはいい。学校と同じで、それに則っていけば、ある程度のところまでいけます。しかし、そこから先の人生のほうが長いのですから、自分に求められていることは何か、どのような貢献ができるかをよく見て考えて、自分がより発展していくために習得すべきこと、努力すべきことを追求していかなければなりません。研修医の期間は、そのための練習段階です。自ら考え、指導医にうまく伝えることも大切です。
できることが増えると、教えてもらえる機会が減ります。40年、50年先を見据えながら、目の前のことを解決できるよう問題点を整理して学んでいくことは非常に重要で、その姿勢こそがプロフェッショナリズムです。知識や技術だけでなく、学び続ける方法を教えるのが私たちの仕事と考えて取り組んでいます。
米田真也
岩手医科大学附属病院
総合診療医学講座講師
- 2004年
- 秋田大学医学部卒業
- 2004年~
- 岩手県立胆沢病院
- 2006年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2007年~
- 岩手県立胆沢病院
- 2008年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2009年~
- 由利組合総合病院
- 2010年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2012年~
- 岩手県立胆沢病院
- 2024年~
- 岩手医科大学附属病院
良き指導者に出会い
目指す道へ踏み出そう
豊富な症例が強み
岩手県立中央病院は県内でも規模の大きいセンター病院で、全科が揃っています。患者数が多く医師は少ないので、若い先生たちの診療の機会、さまざまな経験を積む機会が多いことが、当院で研修する最大のメリットだと考えています。初期研修に続く専門研修も重要で、専門医を取るための症例が多いという利点もあります。
また、診療や手技はもちろんですが、大学院進学を目指している人に対しても教育ができるのもアピールポイントです。大学院に進む手前で、研究したことがある、英語の論文を書いたことがあるという経験は非常に大切になりますが、そのための助走をサポートすることができます。血液内科や内分泌代謝内科など、考えることが中心の研修もできる病院なのです。
自ら進んで実践を
臨床研修医に望むのは、元気に明るく、日々をこなすこと。若い医師は、実践あるのみです。患者さんが多く、救急車もたくさん来る中央病院は、研修医が指導医の後ろに下がっていられる環境ではありません。チャレンジしようと、常に前に出る姿勢が大切です。「中央病院で2年間やるぞ!」という心意気さえあれば何とかなる。指導医としての経験から、皆さんにはそう伝えたいと思います。
2年間の研修期間中に、どの科に進むかを決めることになりますが、初志貫徹する人は5〜6割くらいでしょうか。当院は科が揃っているので、進路変更もしやすい。ですから、学生向けの説明会などでは「迷っている人も、どうぞ来てください」と話します。いい指導医に出会い、そこに行くという人もいます。恐れずに、やる気を持って取り組んでください。
研修医を指導する中で、私は彼らにメンター、すなわち良き指導医を3人くらい見つけなさいと話しています。そして、それぞれのいいとこ取りをしてくださいと。中央病院での診療をモデルにする人、研究者を目指す人、小さい病院で働きたいという人……と目標はさまざまでしょうが、自分にフィットするメンターを見つけ、そこを目指しながら学んでほしい。そのために、私たち指導医は研修医の皆さんを見守り、支えていきます。
中屋来哉
岩手県立中央病院
診療部次長兼
医療研修部次長兼
副腎センター長兼
腎臓・リウマチ科長
- 1999年
- 東北大学医学部卒業
- 2000年~
- 金沢大学医学部附属病院
- 2001年~
- 金沢市立病院
- 2002年~
- 国立金沢病院
- 2003年~
- 公立松任石川中央病院
- 2004年~
- 金沢大学医学部附属病院
- 2005年~
- 越野病院
- 2006年~
- 富山県中央病院
- 2007年~
- 岩手県立中央病院
岩手を支える指導医たち
岩手には、教育熱心な指導医がたくさんいます。「いわてイーハトーヴ臨床研修病院群」の臨床研修教育活動を支える、指導医をご紹介いたします。
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群ワーキンググループ 代表・副代表
現在イーハトーヴ臨床研修病院群のリーダーシップをとる指導医の先生方です。
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
代 表 | 米田 真也 先生 | 岩手県立胆沢病院 |
副代表 | 伊藤 薫樹 先生 | 岩手医科大学附属病院 |
副代表 | 中屋 来哉 先生 | 岩手県立中央病院 |
副代表 | 佐藤 嘉洋 先生 | 北上済生会病院 |
副代表 | 星田 徹 先生 | 岩手県立大船渡病院 |
副代表 | 桂 一憲 先生 | 岩手県立磐井病院 |
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群 各基幹臨床研修病院の指導医
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
岩手医科大学附属病院
盛岡赤十字病院
北上済生会病院
盛岡市立病院
岩手県立中央病院
岩手県立大船渡病院
岩手県立宮古病院
岩手県立胆沢病院
岩手県立磐井病院
岩手県立久慈病院
院長 | 遠野 千尋 先生 |
医療研修科長 | 遠藤 正宏 先生 |
岩手県立中部病院
岩手県立二戸病院
院長 | 小笠原 敏浩 先生 |
副院長兼医療研修科長兼医師事務支援室長兼 泌尿器科長兼 リハビリテーション科長 | 小成 晋 先生 |
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群ワーキンググループ サポーター
イーハトーヴ臨床研修病院群の立ち上げ当初から岩手の臨床研修教育活動に取り組んでいただき、今もなお見守り続けて下さっている指導医の先生方です。
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群 運営委員
臨床研修医合同オリエンテーション、レジデントスキルアップセミナー、指導医講習会などの活動を支えて下さる、頼れる指導医をご紹介します。
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。