指導医に聞く
たすきがけ研修を利用して
多くの先生との出会いを
結びつき助け合う
岩手で研修する良い点は、臨床研修医1人で診ることができる症例数が、とにかく豊富だということです。医師の数が少ないので、自然とそうなります。自分がいないと成り立たないという状況は責任感を生み、成長に繋がります。また、総合的な見方と専門家的な見方のバランスもいい。都会の大病院のように専門分化していては診察しきれません。循環器内科で脳梗塞を診る、消化器内科で肺炎を診るというふうにカバーする中で、研修医は広くプライマリケアを学びます。
研修病院がリンクして互いに補い合い、結びつきが強いのも特徴です。指導医同士も顔見知りですし、臨床研修医も同窓会のようになれる。医療は繋がりが大切ですから、その形成にも役立ちます。
50年先を見据えて
胆沢病院の研修は、ひと言で言うと実践的。「手技の胆沢病院」「手と足を動かす胆沢病院」と言っています。臨床研修医は学生の延長になりやすいものですが、国家試験に合格した瞬間から医師になるのです。そのプロ意識を早くから持ってもらうために教育します。最初は手取り足取りにならざるを得ませんが、徐々に程よい距離を取っていき、個々の到達度を見ながら課題を与えます。自分でやってみる、何かに向かうという経験をしなければ始まらない。また、常に見てくれる人がいると、いつまでも責任感は身に付きません。そうやって研修が終わる頃には、だいたいのことは任せられるようにします。
研修医に対しては、しっかり振り返りをしながら自ら学ぶことを求めています。いろいろなことが勝手に降ってくるわけではないのだから、待っていないで自分で取りに行くことが大事です。入ってきた時点で、その姿勢がないとダメだし、2年間で確実に自分のものにしてほしい。そうでないと、医者はやっていけません。
できることが増えると、教えてくれる人はいなくなる。でも、満足していたら、終わりです。学ぶことを自ら見つけて知識をアップデートし、自分でトレーニングをしていく。そうやって40年、50年先を見ていかないと……。知識や技術だけでなく、学び続ける方法を教えるのが初期研修における私たちの仕事だと考えて取り組んでいます。
米田真也
岩手県立胆沢病院
医療研修科長
泌尿器科医長
兼総合診療科医長
- 2004年
- 秋田大学医学部卒業
- 2004年~
- 岩手県立胆沢病院
- 2006年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2007年~
- 岩手県立胆沢病院
- 2008年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2009年~
- 由利組合総合病院
- 2010年~
- 秋田大学医学部附属病院
- 2012年~
- 岩手県立胆沢病院
地域医療と高度な医療を
バランスよく学べます
たすきがけの活用を
岩手県における臨床研修では、地域の病院で、あるいは岩手医科大学附属病院や県立中央病院のような、より専門性、先進性の高い病院で研修したいなど、臨床研修医の先生方の考え方に応じたプログラムの提供が可能です。
「たすきがけ」のシステムで県内12の臨床研修病院を移動し、十分なトレーニングが受けられ、必要な経験を積むことができます。将来専門医等としてのキャリアビジョンを達成する一助として、たすきがけ研修を活用しながら学んでほしいと思います。
キャリアを見据えて
岩手医科大学附属病院は、県内でも最も各診療科の専門医が集まっている専門集団です。お約束できることが4点あります。まず、その分野でのトップレベルの情報や教育レベルを提供できること。次に、診療科が揃っていて、どの科に進むにしても充実した研修が受けられること。そして、基本的に臨床研修プログラムの決定権を研修医に委ねているので、個々の考えに基づいて選べること。
最後が、最も強調したい点です。医療は日進月歩で、ここ10年くらいで再生医療や遺伝子治療など、以前はなかった治療が行われるようになっています。そうした高度な医療を必要とする患者さんを実際に治療し、フォローアップする現場を経験できる環境があるのが、岩手医科大学附属病院だということです。
地域の病院には、地域の特性があります。高齢の患者さんが多く、医療だけでなく介護まで含め、地域でどのように包括的に提供していくかといった問題点を知ることができるのも岩手のメリットです。そのように、研修医として地域の医療やコモンな病気にふれる一方で、ある程度、専門化したところもバランスよく見てほしいと思っています。その上で自分がどうしたいかを軸に、自分の考えに基づいて選び、現場に還元していただければ……。私たちは常に、自身のキャリアを見据える臨床研修医の皆さんをサポートしていきます。
鈴木悠地
岩手医科大学医学部
内科学講座
リウマチ・膠原病・
アレルギー内科分野
特任講師
- 2011年3月
- 岩手医科大学医学部卒業
- 2011年4月
- 岩手県立二戸病院(臨床研修医)
- 2016年3月
- 岩手医科大学医学研究科卒業 (博士課程)
- 2016年4月
- 岩手医科大学医学部
内科学講座
消化器内科肝臓分野 助教 - 2022年4月
- 岩手医科大学医学部 内科学講座 消化器内科分野 特任講師
- 2022年6月
- 岩手医科大学医学部 内科学講座 リウマチ・膠原病・ アレルギー内科分野 特任講師
岩手を支える指導医たち
岩手には、教育熱心な指導医がたくさんいます。「いわてイーハトーヴ臨床研修病院群」の臨床研修教育活動を支える、指導医をご紹介いたします。
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群ワーキンググループ 代表・副代表
現在イーハトーヴ臨床研修病院群のリーダーシップをとる指導医の先生方です。
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
代 表 | 米田 真也 先生 | 岩手県立胆沢病院 |
副代表 | 伊藤 薫樹 先生 | 岩手医科大学附属病院 |
副代表 | 中屋 来哉 先生 | 岩手県立中央病院 |
副代表 | 佐藤 嘉洋 先生 | 北上済生会病院 |
副代表 | 星田 徹 先生 | 岩手県立大船渡病院 |
副代表 | 桂 一憲 先生 | 岩手県立磐井病院 |
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群 各基幹臨床研修病院の指導医
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
岩手医科大学附属病院
盛岡赤十字病院
北上済生会病院
盛岡市立病院
岩手県立中央病院
岩手県立大船渡病院
岩手県立宮古病院
岩手県立胆沢病院
岩手県立磐井病院
岩手県立久慈病院
院長 | 遠野 千尋 先生 |
医療研修科長 | 遠藤 正宏 先生 |
岩手県立中部病院
岩手県立二戸病院
院長 | 小笠原 敏浩 先生 |
副院長兼医療研修科長兼医師事務支援室長兼 泌尿器科長兼 リハビリテーション科長 | 小成 晋 先生 |
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群ワーキンググループ サポーター
イーハトーヴ臨床研修病院群の立ち上げ当初から岩手の臨床研修教育活動に取り組んでいただき、今もなお見守り続けて下さっている指導医の先生方です。
※名前をクリックすると各指導医の紹介ページに遷移します。
いわてイーハトーヴ臨床研修病院群 運営委員
臨床研修医合同オリエンテーション、レジデントスキルアップセミナー、指導医講習会などの活動を支えて下さる、頼れる指導医をご紹介します。
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